アンダーマイニング効果

社員のやる気を奪ってしまう意外な落とし穴

「社員のモチベーションを高めたい」
「頑張っている人には報酬や手当で応えたい」

経営者や人事担当者であれば、誰もがそう考えるはずです。
しかし、心理学の研究では、「良かれと思って与えた報酬が、逆にやる気を下げてしまう」という現象があります。

これをアンダーマイニング効果と呼びます。

なぜ報酬がやる気を下げるのか?

人はもともと、「面白い」「成長したい」「工夫したい」といった内発的動機で行動します。

ところが、外から「これを達成したら報酬をあげます」と言われると、本来持っていた内側からの意欲が薄れ、
「報酬のためにやっている」という外発的動機に置き換わってしまうことがあります。

結果として、

  • 報酬がないとやらない
  • 報酬が減ると不満が出る
  • 作業の質が落ちる

といった問題が起こり、組織全体の活力が低下してしまうことがあります。

職場で起きやすいケース

アンダーマイニング効果は、次のような場面で見られます。

  • もともと自発的に取り組んでいた改善活動に「手当」を付けた途端、参加率が下がる
  • 自主的な勉強会を「業務命令化」したら意見が出なくなる
  • 「ノルマ達成で報奨金」に変えたら、数字だけを追い始め品質が下がった

「制度を充実させたのに成果が出ない」という職場の多くは、この効果が影響している場合があります。

では、どう活用・対策すればいいのか?

アンダーマイニング効果は、報酬が悪いのではなく、使い方にポイントがあります。

  1. プロセスや努力への承認を重視する
    結果だけではなく、取り組み方・工夫・挑戦を認めると内発的動機が維持されます。
  2. 自立性を奪わない
    やらされ感が強いほどモチベーションは低下します。
    選択肢や裁量を持たせることが効果的です。
  3. 報酬は「ご褒美」ではなく「感謝」として設計する
    “成果の交換条件”ではなく、
    “頑張りへの感謝を形にしたもの”と伝えることで動機づけが変わります。
  4. 行動の背景にある心理を理解する
    社員のモチベーションの源泉は人によって異なるため、心理学の視点が重要です。

組織づくりに「心理学×人事労務」を

弊所では、コンプライアンスの整備だけではなく、心理学の知見を用いながら、
「人事労務=経営戦略」としての制度作りをご提案しています。
・モチベーションが続く評価制度
・社員が育つ仕組み
・離職防止施策の設計
など、お困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。